穢れを恐る神霊と穢れを祓う神霊 – 前編

07Jun161.7K33133

品川神社には、水や雨を司る女性性の強い神霊様が鎮座されています。僕が、その神霊様と出会ったのは2年ほど前のことでした。引越しをした先の自宅からそう遠くはない場所に品川神社はあります。ご存知の通り僕は神社を巡るのが大好きなので散歩がてら参拝しようと思い、夜中に出かけました。

当日は雨が、しとしとと降っていました。品川神社は国道沿いにあるので、車のヘッドライトが雨水に反射してキラキラとしていました。正門鳥居をくぐると少し急な階段が続きます。僕はペースを崩さずに一気に登りました。階段を上ってすぐにまた、鳥居があり、少し進むとまた鳥居がありました。

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まっすぐと伸びた参道の奥に本殿があり、近づく前から神霊様の存在に気が着きました。本殿の前まで歩み寄り、ご挨拶をすると雨がピタッと止みました。同時に、不思議な、暖かい風に優しく包まれるような感覚がありました。そこには髪の長い、僕のイメージでは紫式部のような容姿の、淑やかな神霊様がいらっしゃいました。

よく、いらした。稲荷の明神よりそなたのことは聞いている。いつしかより狭くはなったがゆっくりとしていくといい。そなたのようなものがまだ訪ねてくるとは私も嬉しく思うぞ

実際は言葉ではなく、”考えそのもの”を受け取るような感じなので神霊様の発言は僕のイメージです。

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そのようなお言葉を賜ることができ、もったいなく思うのとたいへん嬉しいことをご返答しゆっくりと品川神社の空間を楽しむことにしました。さすがに、雨を司るだけあって先ほどまで降っていたのが嘘のように、真夜中の雰囲気が広がっていました。シーンという音が聞こえてきそうな静かさでした。

その日の夜の参拝は、それで終わりました。帰る旨ご挨拶を申し上げ、階段を下ろうとするとそれまでの静かな空間(神域)から国道沿いの浮世へ戻るかのように、騒がしい音と共に雨がザァーっと降り出したのです。素直に驚きました。

実は僕は、こういったスピリチュアルなことを半分懐疑的な視点から観察するように心がけているので雨が止んだのは単に雨が止んだだけで、時間的な偶然でそこに居合わせただけなのかもしれない、ということを考えていました。しかしながら、参拝を終えると同時にまた、雨が降り出すというもう一つの偶然が重なると、懐疑心が揺らぐほどの不思議さがありました。

6月ごろに、品川神社のお祭りがあります。お神輿を担いで品川神社の周辺地域を練り歩くお祭りです。太鼓を鳴らしながら老若男女が掛け声を上げ、とても賑やかです。大抵は土日に開催されるようで、夜に活動をよくする僕にとっては少しだけ鬱陶しく思う時期でもあります。笑。

というのも、このお祭りを話題に出すのは、毎度面白い出来事が起こるからなんです。お神輿とは、文字通り神の乗り物です。それを担いで練り歩くわけですから、神霊様を地域住民に敬ってもらう儀式でもあります。なので、お神輿には神霊様が乗られているのでとても神聖でエネルギーの高いもの、であると言えます。

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さらに勢いをつけるために太鼓と掛け声を合わせながら、練り歩くのですが、この時、神霊様のエネルギーと相まって、周辺に隠れていた(眠っていた)天霊たちが起き出し、騒ぎ立てるのです。僕の自宅は強い結界を張っており、並大抵の霊的存在は入れないようにしてあるのですが(隙間をついて侵入してくるケースもありますが…)、この祭りの時は別です。

力のある神聖な霊たちが結界なんてお構いなしに、うちへ侵入し騒ぎ散らすのです。笑。寝ていると、朝の6時台くらいからラップ音が始まり、笑い声や楽しく遊ぶような声が響き始めます。僕もやおら起きて、はいはい楽しいね嬉しいねとあくびをしながら拍手をして感謝します。

ところが、最近、その品川神社に少し嫌な変化が現れていました。引越しをして去った、住んでいた家の、あの空っぽな雰囲気に寂しい気持ちが漂うような感覚があるのです。どうしたのかなぁと心配して複数回参拝していると、最近やっと神霊様がお出でくださり

氷川神社へいらっしゃい」 と残してすぐにまたどこかへいなくなっていました。…と、今回はここまで。この続きは、次回の記事でお話しします。

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