瞑想法 – 呼吸編

18May172.3K70276

この瞑想法シリーズでは、テーマ毎に特化した瞑想する心構えや考え方、テクニックを紹介しようと思います。以前友人と話をしていて、日常生活で呼吸が浅い人が多いという話題になりました。なので、今回はそれをきっかけに、呼吸法をテーマにしようと思います。気功だけでなく、心身のバランスを整える効果もあるのでぜひ実践してみてください。

呼吸の重要性

現代の気功は、古代中国で導引術と呼ばれる呼吸の仕方を体系かさせた方法を元に成り立ちました。端的に考察しても、呼吸は気功の要となっているわけですね。ちなみにwikipediaではこのページが参考になるので、興味と時間がありましたら一読ください。結構面白いですよ。実は僕も気功ヒーリングを行う時に、無意識に気の流れやすい呼吸法になっていたことに気がつきました。

また、呼吸は交感神経/副交感神経を刺激するので、直接的に精神を大きく変化させる効果もあります。科学/医学的な話は専門家ではないのであまり深くは触れませんが、運動や睡眠などにも大きく関わるものであることは普通に考えれば至極当然ですよね。

腹式・胸式

よく耳にすると思いますが、腹式呼吸が今回の呼吸法では重要になります。そこで、なぜ重要なのか、胸式と何が違うのかを整理しながら進めたいと思います。

胸式呼吸というのは、胸部を大きく動かす呼吸になります。肺は胸骨で覆われて保護されているので、胸式呼吸ではこの胸骨を押し広げるようなイメージで肺を目一杯膨らませます。この時、首の付け根のあたりの食道や気道も同時に圧迫されるため息苦しさが現れます。また、横隔膜が下に(腹部へ向けて)下がらないので、交感神経系をあまり刺激しない結果へ繋がります。ちなみに、胸骨は骨で硬いので伸縮しません。おのずと肺へ送りこめる空気量が限られるので、浅い呼吸になってしまいます。

反対に、腹式呼吸は、胸骨を圧迫せずに肺を膨らませることができるのでより楽に多くの空気を扱えるようになります。これは、横隔膜を腹部へ下げて、腸などの内臓を背骨側と下腹部側に押しのけることで肺を膨らませるスペースを確保します。この時に交感神経系が刺激を受け、また、腸などの臓器が動きますので各種ホルモンが分泌されたり、と色々な良い効果が期待できます。

呼吸法の実践

では、実際に、その利点だらけの腹式呼吸とその次にある気功を行う上での気功法を紹介しますので、行ってみてください。

腹式呼吸

自身の上半身全体が確認できるように、鏡の前で行うと良いと思います。

  • 普通に呼吸し、自分の肩のラインが上下するかを確認してください。肩が上がるようであれば完全な胸式呼吸です。
  • 次に、限界目一杯まで息を吸って、首の付け根あたりが苦しくなるようであれば、それも胸式呼吸をしている証拠となります。
  • 自分が如何に胸式呼吸かを自覚しましたら、腹式呼吸の練習に移ります。
  • (1)呼吸をする時に肩のラインが上がらないように注意します。
  • (2)息を吸う時に、お腹を膨らませるようにします。
  • 反復練習⇨(1)と(2)が無意識にできるようにします。
  • (3)今度はお腹を膨らませずに背中を膨らませるようにします。
  • (4)息を吐く時に、お腹が出ないようにします。この時、最小限の力のみで、余計な力みは禁物です。(満員電車で自分が押し出されないようにするギリギリで保つあの感じがイメージとして近いかもしれません)
  • 反復練習⇨(3)と(4)が無意識にできるようにします。
  • (5)息を目一杯吸い込んでも苦しくないか、確認します。
  • (1)から(5)を繰り返し行い、完全にできるまで焦らず時間をかけて習得してみてください。

呼吸の意識

無意識に呼吸をしていると、吸うことと吐くことを意識してしまい、力んでしまうかもしれません。息は本来、肺の内気圧の増減によって、(気圧の高いところから低いところへ空気が流れる=風の流れのように)空気が勝手に入り勝手に出て行くような感覚が理想的です。

なので、息を吸う・吐くではなく、空気が入ってくる・出て行くというような意識を保つことがとても大切です。

瞑想法と呼吸法を合わせてみる

上記の、呼吸法が身について、ある程度意識しなくてもできるようになってきたら、瞑想法と組み合わせてみます。特に、瞑想を始めた直後、落ち着く必要がある時に有効です。有名な4-7-8式で呼吸をするのが、初めは良いでしょう。4秒かけて鼻から吸い、7秒呼吸を止めて、8秒かけて口から息を吐く、というものです。

これは副交感神経を活発にさせて、リラックス効果があります。同時に脳内ホルモンがたくさん放出されるので、場合によっては不安感が軽減したり多幸感を感じられることもあるそうです。

ちなみに、文字に起こすと少しややこしいのですが、冒頭で紹介した導引術の呼吸法は、本質的に養生功を活発に行えるように働くようです。僕もやってみたのですが、手先や足先に、一気にたくさんの気が流れ出すのがよくわかりました。そして、面白いことに、深い呼吸をすると落ち着き気が流れますが、浅い呼吸をすると気を流さないようになり、体温が下がることも今回この記事を書くにあたって経験しました。意識して深い呼吸をしなければ、基本的には体温を下げるように働くようです(活動をしない意味で)。

気功は、精神と肉体とが密接に関わりますので、運動もとても重要になります。呼吸法だけからもわかるように、筋肉や内臓の動きに刺激を与えることで、そうでない状態とは比べ物にならない、あるいは想像もしない体の神秘に気づけるかもしれませんね。

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